2006年3月17日金曜日

ローカルとバーチャルの融合

マスコミの流す情報を信頼してはいけないという論陣を、ついこの間まである場所で張っていたのだが、海の向こうではそんなこととっくに当たり前になっていたようだ。


Newsweekの最近の号によると(これも結局はマスコミ情報なのだが^^;)、あるシンクタンクの調査で53%が「ニュースは信用できない」と回答し、「信用できる」と答えたのは9%だけだったという(調査の詳細は不明)。


一方、米国西海岸のベーカーズフィールドという地方都市で発行されている無料新聞が話題になっているらしい(同じくNewsweekより)。


同紙にはウェブ版とペーパー版があって、記事はまずウェブ版に掲載され、その中で優れたものが隔週発行のペーパー版に転載される。

面白いのは、ほとんどの記事が住民からの投稿で成り立っているということ。

ブログ感覚でその町に住む人たちが書いてくる記事が主体となっている(原稿料などはない)。


スキャンダルは一切ない。地元のイベントや学校の出来事、アウトドアや子育てに関するコラムなど、心あたたまる地元の話題が紙面を埋めている。

発行人によると、「ブログに親しんでいたおかげで、記事を書いてもらう市民の間に文章を書くことへの抵抗がなかった」ということだ。


こういう話を聞いていると、コミュニティの再生(創造)は可能かもしれないという気になってくる(→過去記事参照)。

ベーカーズフィールドの人口は33万人。ぼくの住む衛星都市とほぼ同じ規模だ(同紙はベーカーズフィールドの北西部を対象としているにすぎないが)。

ウェブを媒介にして、「地元」というキーワードの下にバーチャルな結びつきが強まれば、それが新しいコミュニティ再生(創造)への道筋になるかもしれない。リアルとバーチャルの結合だ。


もちろん、そうした動きがまっすぐにコミュニティの再生(創造)へとつながっていくと考えるのはあまりに楽観的に過ぎるだろう。いろんな停滞や誤算や纂奪や変質があるだろう。

一方、GoogleMapと検索エンジンを組み合わせることで、指定した地域に関するブログをリストアップするWeb2.0サービス(マップログ)も登場した。


地域とウェブ。ローカルとバーチャル。そこにはさまざまな可能性が秘められていることは間違いない。